メイプルストーリーの火力・ダメージ計算について書く不定期講座
第五回:ソウルマスター:トゥルーサイトについて

トゥルーサイト
MP 50消費、 30秒間100%の確率で範囲内の敵の防御力10%、属性耐性10% 減少
ハイパースキル込みで防御率-20%、属性耐性-20%となるデバフスキル、今回はこのトゥルーサイトを取り扱う。
世間では未だに
「防御率じゃなくて防御力かよ使えねえ」だの言っている声が聞かれたりするのだが、
勿論これが
防御率を指しているという事は皆お気づきであろう。
では次の
属性耐性はどうだろう?
ぱっと答えられる人は果たしているのだろうか?
何となく察しは付くだろうが、改めてじゃあこれがどう作用するかと考えると、疑問符が生まれる。
今までは「自分の攻撃の属性を減少させる」スキルがほとんどで、それと効果は同じだがルミナスが「属性耐性無視」という効果を持っていただけであった。
そう、
属性耐性を減少させる効果は今回が初出である。
私も実はこれについて特に考えておらず、適当に属性減少効果にそのまま加算して算出していた。
おかしいと気づいた切っ掛けは先日コメントにて、「ソウルマスターのトゥルーサイトにチェックを入れるとダメージが減る」とご指摘をいただいた事。
これはトゥルーサイトの効果分加算すべき所を減算していただけの単純なものだった。
しかし続く
それと、次は質問なのですが、無属性耐性と攻撃属性減少、一定量耐性無視の各々の数値関係もよく分かりません(特にメルセ)。
簡単でもいいので、どういう計算になっているか教えていただけないでしょうか。
これに反応してしまったが最後、数時間の浪費とこの
壊れスキルを発見する事と相成った。
煽りはここいらで切り上げ、このスキルの全貌を明かす段へと移ろう。
■第一章 はじめに早速だが、このスキルは
二つの壊れた特徴を持っている事を先に述べておく。
効果が二つしかないのだから一目瞭然ではあるのだが、その二つとは
『防御率減少効果』と
『属性耐性減少効果』の事である。
そして両方が合わさる事で、
現状最高クラスの補助スキルへと昇華しているのだ。
■第ニ章 防御率減少効果が壊れているそれではまず『防御率減少効果』の強さから説明しよう。
防御率減少と聞いて真っ先に思い浮かぶのはパラディン系列の『プレッシャー』だろう。
こちらはハイパースキルを含め最大50%の防御率減少、即ち相手の防御率を半減させる事の出来る非常に優秀なスキルである。
しかしこのトゥルーサイトは、相手に依っては
それ以上の効果を発揮しうる。
なぜならこのスキルの「防御率減少効果」、
"割合"ではなく"実数値"なのだ。
つまり
防御率40%のホーンテイルに当てると、40% -20%で
防御率は20%となる。この場合減少率で考えるとこれは
プレッシャーと同等の倍率だ。
この
防御率を実数値で減少する効果が第一の壊れ効果の正体だ。
■第ニ.五章 防御率減少効果の罠この世界には上げたら落とさなければならないルールがあるようだ。
もうお気づきの方も多いかと思うが、
防御率を実数値で減少する効果はいい面ばかりではない。
防御率が馬鹿みたいに高いボスに対しては
ほとんど効果を発揮しないのだ。
防御率180%さん →160% (
減少率:11.11...%)
防御率300%さん →280% (
減少率:6.66...%)
このように、後半防御率の跳ね上がる廃人専用ボスに対して無力な点は注意したい。
本来の額面通り?の20%割合を減少出来るラインは防御率100%である。
この近辺のボスを中心に活動する場合は有用な事に変わりないだろう。
また、加えてプレッシャー等の他の防御力減少効果は重複しないため注意が必要だ。
(検証協力:歯切れ氏)
■第三章 属性耐性減少効果が壊れている同じネタで申し訳ないのだがこちらも種は同じ、
"割合"ではなく"実数値"な点にある。
これは説明するより実数値を出した方が早いだろう。
ソウルマスターを例に上げよう。
無属性耐性でダメージ50%、エレメンタルエキスパートで50%分が属性なしになり
無属性耐性50% *属性半減50% +属性なし100% *属性半減50% =75%ダメージ
これがトゥルーサイトのない場合のダメージ値になる。
ではトゥルーサイト(ハイパー込み属性耐性減少20%)が入るとどうなるか、が下記である。
無属性耐性50% *属性半減50% +属性なし100% *属性半減50% +属性耐性減少20% =95%ダメージ
何かおかしい気がしないでもないが、実際こうだったのだから仕方あるまい。
とにかくこのスキルによりソウルマスターは、
属性耐性相手にもほぼ通常時と変わらない95%のダメージを叩き出す事が出来るのだ。
そしてこの効果、一番輝くのは
パーティメンバーに対してである。
・通常無属性耐性
無属性耐性50% =50%ダメージ
・無属性耐性 +トゥルーサイト
無属性耐性50% +属性耐性減少20% =70%ダメージ
数値を見れば明らかではあるが、無属性耐性持ちに対するダメージが
1.4倍に跳ね上がっている。
この効果に罠はなく、単純に無属性耐性持ち相手には最高の補助スキルになるだろう。
また先に控える性向システム改変によって属性耐性無視20%が全職に搭載されたとしても、
属性耐性計算後ダメージは60%→80%の1.33倍と十分である。
ちなみに属性耐性なし/弱点属性に対しては効果がない事をここに記しておく。
(検証協力:歯切れ氏)
■第四章 結論&おわりに「防御率減少効果は実数値」
「属性耐性計算後ダメージ+10%」どちらも今までになかったタイプの効果である。
ただ一つ分かるのは、今まで防御率無視や状態異常耐性で散々行なってきた
職業観格差ゲーを
今度はこの属性耐性で行おうとしているのは明らかだ。
後に"潜在能力:属性耐性無視○%"等が出ないよう祈るばかりである。
そして最後に、今回新効果の複合技に苦しめられ非常に業腹である様子をおまけとして載せておく。
トゥルーサイト検証
■1前提
11533~12815(ソウルマスター)
攻撃力255STR1013DEX136
総ダメ0%ボスダメ9%
防御率:ライトニング10%海賊キャラ札6%カリスマ1%(防御率乗算化後)
スピーディングダンス1ソードエキスパート30アンフォシアブル0ソルーナタイム20マスターオブザソード2
使用スキル:スピーディングダンス、ポーリングムーン
トゥルーサイト
防御率-10%
属性耐性減少-10%
■2採取
2-1vsバンバン(ボス属性、無属性耐性、防御率50%)
2-1-1準備
トゥルーサイトなし→シート通り
理論値
8168~9076
実測値
8187~9071 (90.254%)
2-1-2計測
トゥルーサイトあり
実測値
10618~11792 (90.052%)
2-2vs野狐(防御率10%)
2-2-1準備
トゥルーサイトなし→シート通り
理論値
8168~9076
実測値
割愛
2-2-2計測
トゥルーサイトあり
実測値
17326~19232 (90.090%)
■3検証
3-1仮説
防御率減少-10%効果で45%として計算、その後属性耐性減少効果の計算された実測値をシート上ダメージ値で除算する。
これにより、属性耐性計算後ダメージの変化の割合が分かる。
その後、その変化の割合に元のシート上の属性耐性計算後ダメージである75%を掛け、属性耐性減少効果適用後の属性耐性計算後ダメージを割り出す。
vsバンバン 防御率-10%のみの場合
理論値
8767~9741
それぞれ2-1-2の実測値の最大最小で除算すると
最小: 10618 /8767 =1.2111...
最大: 11792 /9741 =1.2106...
1.211倍程度されている事が伺える。
元の属性耐性計算後ダメージ75%にこれを掛けると
75% *1.2111 =90.883
75% *1.2106 =90.795
属性耐性計算後ダメージが90.883%~90.795%になるような計算になるようだ。
しかしここで「属性耐性減少効果-10%」、ソウルマスターの攻撃属性-50%を用いて、この数値を再現出来る数式を考えだす事ができなかった。
またここまで細かい数値にはならないと考え、近い90%、90.9%、90.8%、90.7%で計算した場合では理論値の上限または下限が実測値と合わなかった。
<----------直上の総当り計算など試行錯誤30分---------->
<----------埒が明かないためここで2-2の検証を行う---------->
<----------それでもやっぱり分からないためまた30分---------->
ここで改めて2-2-2を見る。
属性耐性減少効果が耐性も弱点もない相手には発揮されないと仮定した場合、
このダメージ数値は防御率0%時の理論値とほぼ等しい事に気がついた。
(再掲)2-2-2計測
トゥルーサイトあり
実測値
17326~19232 (90.090%)
vs防御率0%
理論値
17317~19242
そしてこの結果から「防御率減少効果は防御率の実数からそのまま減算する」という仮定を導き、改めて3-1を考える。
vsバンバン 防御率実数値-10%のみの場合
理論値
9366~10407
それぞれ2-1-2の実測値の最大最小で除算すると
最小: 10619 /9366 =1.1338...
最大: 11792 /10407 =1.1331....
1.331倍程度されている事が伺える。
元の属性耐性計算後ダメージ75%にこれを掛けると
75% *1.1338 =85.035
75% *1.1331 =84.983
属性耐性計算後ダメージが85.035%~84.983%になるような計算になるようだ。
先ほどと打って変わって85%という綺麗な数値が浮き彫りとなった。
そしてこの85%は元の75%から+10%された値である事が伺える。
(再掲)2-1-2計測
トゥルーサイトあり
実測値
10619~11792 (90.052%)
vsバンバン 属性耐性計算後ダメージ85%、防御率実数値-10%の場合
理論値
10615~11794
となり、実測値ともぴったり一致する。
■4結論
以上の検証を以って、
「防御率減少効果は、防御率の実数値から減算する」
「属性耐性減少効果は、相手が耐性を発揮する場合属性耐性計算後ダメージに加算される」
と結論する。
※追記
後の検証で無属性以外の耐性(火属性耐性のレッドドレイク)に対しても同様の効果を確認
また弱点(氷属性弱点のレッドドレイク/火属性弱点の野狐)に対しては発動しない事を確認
パラディンのプレッシャーと効果が重複しない事を確認
ついでにパラディンのプレッシャーとデビルクライの効果が重複しない事も確認
質問、感想などはコメントまで
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- 2013/10/11(金) 07:20:17|
- 火力・ダメージ計算
-
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| コメント:5
また、加えてプレッシャー等の他の防御力減少効果は重複しないため注意が必要だ。
ここですが、プレッシャーで上書きした場合、防御率減少効果はプレッシャー、属性耐性はトゥルーサイトということができるのか否かを知りたいです。
- 2013/10/14(月) 22:15:42 |
- URL |
- 楓楓楓 #-
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コメントありがとうございます。
可能です。
「同種の効果」は競合してしまい、後に掛けられた効果のみが発揮されます。
この場合競合するのは「防御率減少効果」のみのため、プレッシャーとトゥルーサイトの場合、
プレッシャーの攻撃力/命中減少効果、トゥルーサイトの属性耐性減少効果は単体使用時と同じように作用します。
通常のバフスキル/薬の重複を考えてもらえると理解しやすいです。
また実際使用する場合は競合する防御率減少効果を考えて、
効用の高い方(多くの場合プレッシャー)を後に掛けて使う事になると思います。
- 2013/10/15(火) 02:11:58 |
- URL |
- imawo #-
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今回数時間の浪費の原因をコメントしてしまった者さん
コメントありがとうございます。
正直、助かりました。
私自身元々怠惰な性分のため、指摘されない限り常に安直な解答に流れ着きます。
恐らくこの検証についても指摘のない限り検証などせず、間違いが修正されることもなかったと思います。
良い切っ掛けを作っていただきありがとうございました。
- 2013/10/15(火) 02:21:27 |
- URL |
- imawo #-
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私の名前は孤火花ですが狐火花ではありません(>_<)
昔はCMSのプレヤですけど、今JMSのかえでで遊びます
http://weibo.com/p/1001603930519967524644ここの実験はJMSで完成しました。
http://uni-wz.com/blog-entry-2634.htmlここの
- スキル%ダメージに直接的に加算される数値は「ダメージ %p増加」、ダメージに乗算後増加するが互いに加算される数値は「ダメージ %増加」、最後に乗算される数値は「最終ダメージ %増加」に修正しました。
どうやら 完全に信用することはできません。実験することが必要です。
CMSのメルセデスを聞いて、彼らが言った数値の結果はあなたの数値の結果と同じです(総ダメージ相关)
覚えてる”防御率減少”のスキルは:
レジェンダリースピア、デビルクライ、プレッシャー、トゥルーサイト、デバフオーラ
CMSでこれらのスキルの効果は”防御率無視”と同じです
訳者:まなか
- 2016/01/13(水) 00:42:35 |
- URL |
- 孤火花 #-
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